第27回モリサワ文字文化フォーラム [個と群と律] 組市松紋の仕組み
(制作課 乾 摩耶子)
YouTube で組市松紋のアルゴリズムによるパーツの組み合わせの変化を見ることができます。
■ Tokyo 2020 NIPPON FESTIVAL concept video
https://www.youtube.com/watch?v=jROK4VbBK40
印刷通販「すぐスール」の経験から
製本と余白の違い
無線とじ製本の注意点
一番重要なのはノド部分(見開きにした時の真ん中部分)の扱いです。
無線とじ製本は背中を少し削り、糊を染み込ませ表紙を巻きます。この結果、見開きセンターから左右それぞれ7 mm は見えなくなり、4 mm 位は完全に糊で固まるので100%見えなくなります。
以外とノドが意識されずに作られたデータが多いのです。
通販ではそういったデータが入稿される事が多く、その際はデータ全体を小口側(見開きの端側)に左右振り分けて「のど」部分を作ったり、微妙に変倍をかけてさらに小口側に振り分けたりします。(お客様はそういった操作がされている事におそらく気付いていないと思います)
「無線とじ製本」で冊子などを作る際には周りの余白を最低でも10mm は確保する事が見やすさ、読みやすさにつながります。一般的には無線とじ冊子の場合、周囲の余白を15〜30mmぐらいに設定します。また、左右ページにまたがる写真の扱いは避けた方が良いでしょう。
ページ数にもよりますが背文字を入れる事が出来るのが特徴です。
中とじ製本の注意点
中とじの場合、多くはパンフレットやページ数の少ない冊子で使用する事が多いです。
中とじ製本で困るのは、一枚の用紙で4 ページになる事が忘れられて「18ページで中とじ」や「22ページで中とじ」を依頼してくるお客様が多い事です。当然2 ページ分の半端があるのでセンターでホチキス留めが出来ません。その際は、お客様に連絡して白紙ページを2 ページ分割り当てるなどして処理する事になります。また、過不足を告げると「無線とじに変更して下さい」と製本方法を変える方もいます。
中とじの場合は見開きを意識した作りが多いのも特徴です。写真が左右ぶち抜きになっていたり、見出しが左右ページにまたがっていたりします。しかし、いくら真ん中まで見えるといっても、小さな文字が左右ページにまたがると危険です。製本工程などで若干のズレが生じる事があるので小さな文字の場合、読めなくなる事があるのです。(ど真ん中のページだけはズレる事はありませんが、意外とプロのデザイナーでもそういったレイアウトをされる方がいます)
見開きで作るデータ上だけで判断し、仕上がりの誤差分が意識されていない結果だと思います。
中とじの場合は背文字が入れることができません。(中とじ表紙に背文字を入れてきたお客様もいますが、説明して削除していただきました。)
以上、製本形式にあったデータを作りましょう。
(デジタル印刷課 風帆)