No.138 ｜ 2024年1月号

2024年　躍進の想いとともに～かかわるすべてのみなさまとともに

　2023 年度は脱コロナ。3 年間翻弄されたコロナ禍より解放され、急激な円安と相乗し、多くの外国人観光客が日本に来られ、高級商材を中心に消費が爆発した一年でした。2024 年はやや円高に振れそうですが、もともとの日本文化、日本食ブームに牽引され、消費動向は堅調ではないでしょうか。
　しかし典型的な内需産業である私たち印刷事業者にとっては2023 年は試練の連続でした。まず用紙はじめすべての原材料が高騰。これに対し、お客様と時間をかけてお話しさせていただくことの連続でした。継続取引の観点から、仕入れが上がったから印刷代も上がるという単純な話で終わらないケースも多く、仕事の進め方の見直しで原価を引き下げる等の工夫を一つひとつ重ねながら対処して参りました。今現在もそれは続いております。その他残業時間上限規制の 2024 年問題に対する労務環境再整備、雇用関係の補助金の打ち切り。それらの問題に真摯に取り組むことが求められた一年でした。
　そんな厳しい中でも、2022 年に経営統合した京都支店兼工場を軌道に乗せるべく、走り抜けた一年間でもありました。社員一同、事業の意義目的と個々人に求められる役割をしっかりと理解し行動してくれました。おかげさまで新しく立ち上げた二つの工場、オフセット印刷を中心とした京都上鳥羽工場とデジタル印刷を中心とした新大阪工場では、新体制となったスタッフたちが溌剌と、トライ＆エラーの末、大きな事故もなく私たちの事業運営力を鍛え上げてくれました。経営結果も大きな投資と再配置を行ったにかかわらず、安定した経常利益を計上できそうです。
　本年 2024 年は蓄えた力を放出し、スタッフとともに更に躍進する元年としていく所存です。ヒト・モノ・カネと言われる経営資源ですが、おそらく多くの企業で今後厳しくなってくるヒトについては、幹部層、中堅層の育成が進み採用も堅調です。これは今後大きなアドバンテージとなっていくと考えます。モノについても後 10 年程度は大きな投資が不必要なほど設備、インフラ上の課題、問題点を解消できています。投資したヒト、モノを活用しカネを増やし、それを元手に更に再投資するという健全なスパイラルを回していける状態です。
　この輪を更に拡大し、お客様に対しより良質な商品サービスを提供することにより売上を伸ばし、そこで得た源泉をスタッフや取引先様に還元してゆく。この弛まない活動の速度を更に高め、仲間とともに成長の輪を育んでゆく所存です。
　本年 2024 年度も想像もできないような様々な出来事がおこり、世の中は変わってゆくと思います。私たち遊文舎はスタッフ一同その変化を楽しみ、自分たち自身がそれに合わせて柔軟に変化することにより強かに存続成長を持続して参ります。

本年度も遊文舎を何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社遊文舎　代表取締役
木原　庸裕