No.114 | 2021年7月号
インストアプロモーションの進化へ ㈱DAIプランニングから学ぶ Ⅰ
みなさんいつも『遊文通信』にお目通しいただき誠にありがとうございます。今号は、遊文舎グループ3社のうちの一社、2017 年からM & A でグループに加わった東京都調布市の(株)DAI プランニングの商
品サービス、特長を紹介します。
専門性を磨き上げ、強みの部分で集客するノウハウは遊文舎はじめ多くの印刷会社に欠けている部分であり、コモデテイ化が進む時流の中にあってグループの総合力を高める役割を担っていく存在と認識しています。
以下、次号にわたりDAI プランニングの営業責任者の林マネージャー、補佐の牛山リーダー、スタッフの田上詠一の3 名から話を聞く形で紹介してまいります。
代表取締役 木原 庸裕

木原 みなさんおつかれさまです。各人『遊文通信』読者の皆様への自己紹介お願いします。まずは林マネージャーからどうぞ。
林 営業部マネージャーの林です。私、前職では食品スーパーマーケットに約11 年おりました。そこでは、店長、バイヤー職を経験しております。セールスプロモーションやマーチャンダイジングに参画すること、お客様目線で売上をあげていくことが売り場にいるときから好きでしたし、リアルで売上数値として体感できるのが、自分としては一番のやりがいであったと。一企業だけでなくその道をもっと極めてみたいという思いが昂じて転職するトリガーになって、いろいろ探している中で13 年前にDAI プランニングにたどりつきました。

▲ 営業部マネージャー:林 和孝
木原 世界を広げてみたかったっていうことですね。現職で自己実現はかなっていますか?
林 私のモットーは、「答えは現地にあり」です。やはり、デスクワークだけでは仕事にならないと。お客さまに一人でも多く毎日お会いする中で、その迷いをお聞きしたり、果てはトップの社長から無茶ぶりされたりするのですよ。そういうものを一緒に解決して、DAI プランニングが、クライアントさまにとって、なくてはならない存在になるということです。そういうような位置付けになれるように、毎日、日々精進しています。
木原 流通小売業のバイヤーの方の心情がよく理解できるところが林さんの一番の強みですね。では次に、営業リーダーの牛山さん、お願いできますか。
牛山
営業リーダーの牛山と申します。私、前職では、百貨店の食品フロアで、10 年間いろんな売り場を経験しました。その中で酒売場と和菓子売場に長く携わりました。そこで、購買から販売
までの小売の一連の流れを学びました。
DAI プランニングには3 年前に入社したのですが、林マネージャーと同じく、食品フロアで経験していたことが非常に活きていると感じています。売り場にいて常に販促の事を考えており、今、DAI プランニングでやっているいわゆる販促物に関しては、もともと自分でも作っていた部分もあったので、強く興味を抱き入社いたしました。3 年たちましたが、プロとして携わって覚えることが多く悪戦苦闘中です。しかし充実した毎日を送っています。

▲ 営業部リーダー:牛山 大輔
木原 林マネージャーと同じく前職の経験を活かしつつ今後も頑張ってください。それでは田上さんお願いします。
田上
田上です。私は前職、製造メーカーを主に経験してきました。その中で小売店さんの売り場に携わる機会が非常に多く、それがきっかけでDAI プランニングと出会いまして、3 年前から働かせてもらっている状況です。特に、今の状況だと機動力、発想力が非常に重要視される中で、徐々にこの業界の流れに慣れてきて、軌道に乗り始めているといったところです。DAI プランニングは衣食住の食に関わる、というところの販促をしっかりできているっていうのが、すごく利点だと思います。特に、このコロナ禍の中でも、食に関するところっていうのは、仕事としては他の業種よりも影響を受けることなく、逆にプラスの方向に働いてくれたなっていうのがあって。長期的にも食に纏わるニーズが途絶えることは考えられません。社会のニーズと恒久的に合致している面ですごく魅力のある仕事だなっていうことを実感しながらやっています。
あとは、以前の職種でやってきました、売り場販促の経験が活かせる点です。それで新規開拓のほうを少し行うことができて、それがこの2 年ぐらいで実績を結んできた。チャレンジすれば道は開けていくのだなというところで、しっかりできている実感があります。今後もこの状況を継続して、もっと売上を伸ばせるようにやっていきたいと思います。

▲ 営業部:田上 詠一
木原 生活に密着しているという、そもそもの強みをより体感できた、この3 年だったということですね。それでは、お客さまから見て、あるいはお客さまのお客さまから見て、DAI プランニングの提供している販売促進の支援物、広告物の強みであるとか特徴、とんがったところについて、まず林さんから説明お願いします。
林
強みは、売り場事象、MR ってわれわれは言いますけれども、それをお取引のない企業であっても、常に行っています。そこで蓄積された知見そのものが強みだと考えています。特に新規店舗であったり、改装店舗であったりは、各企業さんの最新のノウハウエッセンスが注ぎ込まれているのです。それを客観的に見て、「何をしたいか?」ということを察知し、そこの中で販促、媒体として出ているものを見分ける。そのうえで市場動向を分析して市場に出回っているもので効果的な物に対して単なる模倣ではなく、DAI プランニングのオリジナリティを付与しつつ、お客様への提案に織り交ぜてゆく。その繰り返しで提案内容がブラッシュアッ
プされてゆきます。
また販促物は、われわれとしてみれば、投下してそれを早く回転して、また新しい物をリピート注文いただきたいのですが、時流はそうじゃない。お客さまも、コスト削減したい、せっかく入れるのだから長く使いたい。その欲求に対して、的確に答えられているのも強みの一つと感じています。
以前だと、販促物っていうものだけを切り取って提案していたのですが今は売場の魅せ方の提案を売場事例を交えて行うようにしています。例えば、冷凍食品売場であれば、近年リーチインケースでの展開が多くなっています。各社、現状のサインは導線上からのアイキャッチとしては弱く、正対した時に初めてその内容を認識できるような取付仕様がほとんどでした。昨年年末の大阪MR で「万代」さん「イズミヤ」さんの旗艦店で立体的に成型し角度を付けた媒体の展開事例を受けて関東のお客様にいち早くこの仕掛けを提案に盛り込めたことで成果につながっています。
木原
販促費用をお客さまが投下すると同じ分だけ利益が減ってしまいますから、そうならないように内容で貢献するっていうのは、言うは易しの極みですね。食品スーパーですから、もちろん安く売らないといけないわけで。そこに対して高く買っていただくというのは、本当に難しいことだと思うのですけど。専門性が高い提案ができないと見向きもされないですよね。
われわれ一事業者から見て、いささか僭越ですけど、流通小売業のお客さま自体、あるいは業界が抱えている課題であるとか、今後5 年10 年を見据えて、日本の流通小売業っていうのは、どのような変化を遂げていくと、林さんは思いますか。
林 食品スーパーの市場規模って日本で11 兆5000 億円ぐらいあるのです。ドラッグストア業界が8 兆円ぐらいです。合わせて20兆ぐらいの市場なのです。これは、10 年以上前からいわれているのですが、同質化現象が続いています。この東京、大阪もそうですけど、大都市には、5000 人に1 人ぐらいの割合でスーパーがあるのです。スーパーマーケットがドミナント展開して、すぐそこに違う競合がある、そういう状況です。
木原 同質化もそうだし、飽和状態。
林
まさにそうです。そういった中で、各企業、やっぱ模索しているわけです。今の時流で言えば、いわゆるエブリデイロープライス、EDLP。この概念は30 年前からあるのですけど、それをあらためて押し出す企業が増えた。だけど、そうするとEDLP 業態で、どんどん同質化が進んでいってしまいます。じゃあ、どこで差別化するかといったときに、機能的価値を高めていく。例えば、関東には「ヤオコー」さんという、全国でベンチマークされている企業があります。今、年商規模が4,500 億に迫るぐらい。今、日本で一番売っている食品スーパーマーケットって「ライフ」さんですけども、その次ぐらいになってきているのです。そういう食品スーパーさんを見させていただくと、ミールソリューション、要は、食でのいろいろな取り組みをしているのです。
20 年、30 年前は、素材だけを安く売っていれば売れたものが、そうじゃなくて提案型です。近年でミールキットっていう商品が生まれてきました。これは、夫婦共働きとかそういったところで、時短、簡単調理っていうものが、すごく注目されてきているのです。そこへのソリューションです。そういうものにも、いち早く着手してとか。まだ、売り上げのパイとしては少ないですけど、いろいろ考えないと駄目だという危機感を、現状好業績の大手さんこそが強く持たれています。更にドラッグストア業界が強烈に、今までの仕切りを越えて、例えば西のほうにある「コスモス薬品」さんなどが今、東にどんどん進出してきているのですが、食品が安いのです。びっくりするぐらい。食品の品ぞろえも食品スーパーに近いぐらい品揃えをしているのです。しかも、そこが生鮮食品まで扱いだしたのです。だから、怖いです。そこに付いていけない企業はどんどん淘汰される。これが今後10 年のトレンドであることは間違いありません。

▲ SPツール一例