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News Letter『遊文通信』

国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展 IGAS2018 ~近未来工場の兆し

IGAS が4 年ぶりに開催されました。
IGAS とはinternational graphic arts show の略で、印刷関連では世界4 大展示会の一つです。ドイツのドルッパを始めとするこれら国際展示会に照準を合わせて、サプライヤー各社が最先端の技術を競います。今後の印刷関連業界の潮流や設備投資の方向性を決めるにあたり必見の場。
貴重な情報をさまざま収集してまいりました。

印刷業界の現状と向かう道

 印刷技術のイノベーションは進化の一途を辿り、ここ10年でインターネットで全国から集めた仕事を最新鋭のIOT テクノロジーで自動処理し、スピーディかつローコストに印刷物を製造するビジネスモデルが急速に普及しました。それまでは製造工程の問題から、例えばチラシ1 ,000枚作るのに5 万円かかっていたものが10分の1 程度のコストに抑えられ、個人ユーザーなどへの印刷物製造のハードルがぐっと低くなりました。
 そんな中で、印刷会社は次の二極に収れんしていかざるを得ないと思われます。①製造に徹する印刷会社は、極限まで工数を削減するために投資を含めた企業努力を惜しまず、価格訴求で集客する。②そうでない印刷会社は、製造以外の強みでとんがった高付加価値・高単価で勝負する。どっちつかずでは経営が成り立たなくなるという局面に向かっています。

IGAS で提示された未来図

 ①の観点からみた場合、今回のIGAS のポイントは2 点。「ワンストップサービスの促進」と「製造工程の無人化提案」でした。従来、分業制で成り立ってきた印刷産業ですが、製造拠点を集約して、横持ちの経費の圧縮・品質管理の徹底・短納期化を進めないとお客様に選ばれなくなっていきます。またこれから一層雇用環境が厳しくなる中、付加価値の低い単純作業はロボットを投入し無人化していかないと長期的に見てコスト競争に勝てなくなると思われます。これらに対応する「ワンストップ」、「無人化」の提案が多く見られました。

 また反対に、②の観点からの製品の付加価値を高める展示も多く、プリントしたものにユニークな加工を施すソリューションが厚物・薄物とも目白押し。ただ、高付加価値は棚ボタ式には落ちて来ない。ヒントからの自助努力の困難を再認識しました。

遊文舎顧客サービスの深化

 これらを踏まえ、自社の強みを吟味した上で設備の方向性を決めてゆかねばなりません。遊文舎は創業以来、出版印刷・書籍を得意としていますので、やはりロール紙タイプのインクジェットプリンターに気が行きました。「版」という概念のないデジタル印刷は合理的ですが、コスト面、品質面で導入が見送られてきました。しかし日本ほど品質要求が高くない欧米諸国ではもはや主流のテクノロジーです。中小企業の投資額としては数億単位と、かなり大きいのでここ数か月というわけには参りませんが、今後の弊社の投資の本丸とも言えると確信しました。
 その導入が叶えば、より一層お客様に資する商品サービスの提供が可能になります。例えば、これまでコストやページ割りの関係で単色で印刷していた貴重な写真をほぼ同じコストでカラー刷りにしたり、後加工の関係で製造に1 週間費やしていたページ物製品が3 日で出荷できたり…と。
 もちろん設備投資に頼らない高付加価値の創出をめざして、人材の先鋭化に日々怠りなく努めていくことが第一の肝だと痛感しています。
 印刷産業は大きな変化の潮流の只中にまさに居る、それを改めて感じさせる展示会でした。

(代表取締役 木原庸裕)

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