No.65 | 2016年10月号
色再現のさらなる進化へクラウドベースのシステムを導入
『遊文通信』前号でご紹介したように、すでにインターネットとAI(人工知能)による「第4 次産業革命」が予兆され、印刷技術も従来に比べてめまぐるしく変化・発展し続けているのは、皆さんご承知の通りです。
遊文舎でも溢れる情報のなか、自社のめざすべき最適化は何か、日々アンテナをめぐらせていますが、そのなかから色再現について最新技術のご報告です。
カラーマネジメントシステム
色の見え方は人によって様々であり主観的でさえあります。そのうえ、印刷にあたっては図のように、ワークフローごとに出力するデバイス(機器)が違い、それぞれ色の生成方法や再現できる色の範囲が異なります。同じデジタルデータを扱っても、色の情報に差がでてしまうのです。
遊文舎では 2007 年より、入力から印刷までの全工程で色を標準化し管理していくCMS(カラーマネジメントシステム)に取り組んできましたが、十分とはいえませんでした。そこで、このたびFUJIFILM 社「XMF ColorPath」を導入し、一歩進んだCMS を確立しました。
XMF ColorPath がもたらす進化
1 .場所を選ばないクラウド方式。色合わせに必要なプロファイル作成システムがクラウド上にあるため複数拠点での色合わせが可能に。
2 .色合わせ精度の向上。ColorPath で作成されるプロファイルは調整を繰り返すたびに精度を向上させる。これにより使えば使うほど精度が向上。
3 .品質の安定。従来は担当者が1 ヶ月に1 回、全プリンタでチャートをプリントして測色するため相当の時間を要した。ColorPath のチャートはとてもシンプルなため1 分程度で可能。チェックする回数を増やして安定的に管理できる。
会社見学での説明もたびたび
究極はお客さまへのサービス
・異なる印刷方式(オフセット印刷、オンデマンド印刷)
・複数のプリンタ(インクジェット、レーザープリンタ)
・拠点間(大阪本社、東京営業所)
での出力物が同じ色再現になる。
すなわち、初校から最終仕上がりのイメージを確認できるということで、校正の回数を減らせるかもしれません。また色修正の結果を確認する際にも、本機校正などのやり取りが減り、納期短縮・価格圧縮につながるでしょう。ColorPath によるカラーマネジメントシステムの強化により、品質保証・効率化・短納期化に多いに寄与できるものと確信します。
(製版チーフ 秦 孝次)