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News Letter『遊文通信』

DRUPA2016ご報告

ドイツ・デュッセルドルフ市で開かれる世界一の規模を誇る印刷関連見本市のご報告。

 「DRUPA」とは、ドイツ・デュッセルドルフ市で開かれる世界一の規模を誇る印刷関連見本市で、4 年に一度、オリンピックイヤーに開催されます。今年は5 月31日から6 月10日にかけて開かれ、来場者数は約26万人でした。ここのところ来場者が減り続けており、2008年が約39万人、2012年が31. 5 万人と、8 年前からするとちょうど2 / 3 となり、印刷業界が世界的に見ても縮小していると言えます。しかしながら、各機械メーカーが最新技術を披露する場としての存在感は衰えておらず、製品化がまだの「技術展示」もあり、まさしく「未来を見る」ことができます。残念ながらスケジュールの関係で弊社スタッフの見学はかないませんでしたが、実際に視察された外部ブレーンの皆様からの報告を受け、弊社なりのレポートをまとめたいと思います。

 オフセット印刷機もそれなりのスペースを割いて展示されているものの、技術開発の余地が限られてきており、目新しさに欠ける印象があります。一方で、デジタル印刷機の展示スペースは拡大し続けています。特に今回は後加工メーカーとのコラボレーションで、ワンパスでシームレスに製本や各種加工ができるという「複合設備」「ソリューション」の展示が盛んでした。つまり、「製本機へはオフラインで運んでね」というのではなく、スタートボタンを押したら製本して仕上がった状態でできあがってくるようにシステム化された展示がいくつかありました(写真:Xerox、Canonでの展示)。FUJIFILMに至っては、書籍を個々人への発送に使うピッキングマシンまで展示しており(写真)、印刷製本のみならず物流業者が発送するところまでソリューション化していました。さすがはインダストリー4 . 0 を国策として掲げるドイツの展示会、近未来の製造業のなりえる姿を具現化してみせてくれます。あらゆる製造業・物流業は無人化が加速していきますね。

 このFUJIFILM 社でおもしろい展示が「水性ピグメント・ラテックスインキ」でして、不織布や布にインクジェットで印刷し、布生地を作るというものでした。実際に同社のブースの接客員はこの方法で作られた羽織を着ていました(写真)。これは印刷業界とアパレル業界に変革をもたらす可能性があると感じております。

 話題性があるのはLanda 社です。同社のデジタル印刷機はまだ未発売であるものの、「オフセット並みの印刷品質」「オフセット並みのスピード」「どんな紙にも印刷」が特徴です。4 年前の技術展示から印刷品質は格段に向上しており、会場では実際に印刷して見せていました(写真)。同社と協業したオフセット印刷機メーカーKOMORI も、KOMORI ブランドでデジタル印刷機を展示しており、2017年度中の発売開始を目論んでいるようです。本当に大化けするか、成り行きが注目されます。

 他方、昨今はやりの汎用ロボットの展示は少なく、印刷製本にまつわる手作業は自動化にまだまだ課題が多いと感じました。

 最後に残念なお話。開催直前にデュッセルドルフ市でテロ未遂事件があったり、難民の流入による治安悪化が心配されていました。ある報告者の方は実際にスリの被害に遭われ、大変な災難だったそうです。現金とクレジットカードがない状態で異国の地に放り出されるのは何とも不安なものでしょう。会場でも出展社のノートパソコンや貴重品が盗まれるという事件が頻発しており、これまでにないような状況だった模様。

 4年後、再びDRUPA が開催されます。3 年後という話もありましたが、結局4 年で落ち着きました。そのころの技術動向ならびに業界、そしてヨーロッパの混乱はどうなっているのでしょうか。

(insatsu 男子)

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