No.49 | 2015年5月号
誰でも使えるマーケテイング講座 第2回
前号に引き続き、「マーケティングとは何か」についてみなさまと一緒に考えていきたいと思います。
競合のない青い海でHappy Life!
ブルーオーシャンを見つけ、
侵入不可能な防波堤を築くことができれば最強
これまで誰も見たことや体験したことがないものを多くの人に買ってもらうことができれば、「市場を創造した」と言えます。よく例に出るマーケティングの成功例は「アップル」です。Mac やipad、iphone は顧客を創造しました。Mac はパソコンですが、パソコンと言えば、Windows のパソコンを指し、Mac をパソコンと言う人はいませんね。Windows のパソコンにもそれぞれに名前があるのですが、Macほどネームバリューはありません。iphone と「アンドロイド」も同様ですね。アンドロイド携帯を機種名で呼ぶ人は持ち主だけですね。
アップルはまさに爆発的な人気製品を作ったことになります。アップルの製品は、道行く人の足を止めさせる力があります。
こうした商品を作ることができればそれだけで圧倒的な参入障壁と価格競争力を得られます。もちろん数年後には競合の模倣品が出てきたりしますが、当面は砂漠の真ん中で冷たい真水を売るようなもの。同様の事例は長い年月をかけて顧客の独自のビッグデータを構築することに成功したアマゾンですね。ビジネスとしては最強ですが、もちろん簡単なことではありません。そこで、もう少しハードルを下げて、コミュニケーション相手(お客様)を作る方法を考えてみます。
その方法は、「なんとなく想像がつくけど、体験したことがない」。
定型的な人気商品は、「ガリガリ君」です。ソーダ、チョコは当たり前として、シチューにナポリタンなどがあります。シチューもナポリタンも味はわかります。しかし、アイスになったらどんな食感になるのか? これは興味をそそりますね。
ヒット商品は定番でOK。お客様とのコミュニケーションのために、赤城乳業株式会社は新商品を投入していると言えます。
コミュニケーションのポイントは、わかりそうでわからない。そう、「ミステリー」です。
ミステリーをコミュニケーションのテコにする
コミュニケーションのポイントは、ミステリーだと言いました。得体のしれない人はミステリーですが、怖くて近寄ることができません。また、裏表がない人は面白みに欠けます。ということで、だいたいわかるけど、少し気になる点があるという人が人気を集めるのです。
もうひとつ、ミステリーをテコにする方法が、「常識と逆のメッセージを出す」ということです。ここはビジネスに限らず、プライベートでも重要です。
私の友人の営業コンサルタントは「サイレントセールス」なるものを提唱しています。つまり、「話さない営業」です。通常、営業力を磨こうと思えば、話術のトレーニングをします。彼の場合は逆で話さずに売る方法を研究します。内容は企業秘密でお伝えできませんが、ミステリーではないですか?
「口ベタ営業マンのための」と題したセミナーは大人気です。
マーケティングを通して、あなたの仕事を振り返る
マーケティングはコミュニケーションであり、新しいコミュニケーション相手を創り出すためにミステリーが重要だと話をしてきました。
そこで、あなたの仕事とプライベートを振り返っていただきたいと思います。
あなたの仕事はコミュニケーションを通じたマーケティング活動になっているでしょうか? 商品開発だけではありません。上司や部下との仕事でも、あなたとの仕事に興味を持ってもらえるように意識をすれば、断然と仕事はうまくいきます。
また、身の回りにあるツールはコミュニケーションを意識したものでしょうか? 名刺は名前と連絡先を伝えるだけのものではありません。封筒は書類を入れるだけのものでもありません。受け取る側とのコミュニケーションを意識すれば、面白いアイデアが出てくると思います。
マーケティングはコミュニケーションです。そして、コミュニケーションの目的は、自分と相手がハッピーになることです。ぜひ、コミュニケーションを通じて、ハッピーなビジネススタイル、ライフスタイルを創造していただきたいと思います。
(Mr. トップセールス)