No.43 | 2014年11月号
用紙のあれこれ 第2弾。
秋もぐっと深まってきましたが、みなさん体調にはくれぐれもご自愛を。
前号に引き続き、用紙の基本的な知識についてご紹介します。印刷会社さんとの打ち合わせできっとお役に立ちますよ。
手に入りにくい紙があるの?
・高級紙には受注後にしか生産しない紙もあります。(写真:まんだら/とりのこ)
・関西では流通せず、関東でしか流通していない紙もあります。(写真:画王)
まんだら/とりのこ
画王
小ロットの商品が高いのはどうして?
用紙調達が端紙になるため割高になるのが一因です。
【端紙とは?】
紙は通常、連( 1 ,000枚)、束(100〜250枚など種類によって様々)とある程度の量を買います。
部数が少ない、ページ数が少ないなどの理由で、連・束買いができない場合は1 枚売りの端紙を購入します。この端紙の単価が高いんです!ロフト・東急ハンズでも、特殊紙を販売しています。1 枚あたりの単価はとても高いんですよ。機会があれば、是非ご覧ください。
どんな紙でも端紙があるの?
連・束でしか買えない紙もあります。よって、チラシや本でも部数・ページ数が少ない場合は選べない紙がでてきます。使うことはできますが、連・束分の紙を買った請求が(・。・;
紙の目ってなに?
ほとんどの紙に「目」があります。紙を抄くときの進行方向に繊維が揃うからです。縦(T)横(Y)があり、加工する商品にあわせて「目」を選びます。特殊紙などのなかには、「目」が縦目か横目しかないものもあります。折りが必要な場合などは、「目」をあわせないといけないため、割高になってしまうこともあるんです。
紙の目の調べ方
水に濡らしてみてください。乾かして反った方向と平行に「目」が通っています。手元にある紙で試してみてください。遊文通信は濡らさないでくださいね。
インキの乾きやすい紙、乾きにくい紙
インキの乾燥には湿度や温度もとても関係してきます。印刷してからインキを乾かすのに半日〜2 日(夏場・冬場、天候などにも左右されます)おいてから、製本工程に進むのが一般的です。最近では、速乾印刷の技術も進歩し、紫外線により印刷インキを瞬間硬化させるUV(Ultraviolet)印刷方式もパッケージ印刷を中心に普及が進み、短納期化が進んでいます。
再生紙(エコペーパー)
紙は木材から作られる天然素材で、再生可能な優れた資源です。
江戸時代でも浅草紙と言われた古紙がトイレットペーパーに使用されていました。
地球環境を守るためにも、紙の再生➡ゴミの減量➡森林保護というリサイクルは必須になっています。
日本は古紙回収システムが整備されおり、リサイクルでは世界トップクラスと言えますが、コスト面ではリサイクル費用・裁断・漂白など多くの工程が製造費用を押し上げ、課題を残しています。古紙利用率の伸びも微増にとどまっているという現状のなかで、社内報の印刷など、できるところから「R マーク」を使用して、社会的責任の表示とされてはいかがでしょうか。
今号の遊文通信も、再生紙を使用しております。(NPI 上質グリーン70)
日本製紙さんの商品ですが、古紙パルプ配合率70%以上を保証されている紙です。全然黒くなく、再生紙のイメージが変わりませんか?