(A5判 450頁 無線綴じ製本)
帝塚山大学出版会 様
「夫婦の氏」という歴史的背景を含みつつ、正解のないテーマを扱う本書の制作では、イメージを膨らませることに苦労しました。
現代の多様な価値観を意識しつつ、あえてステレオタイプな「男女の色」を用いることで、無意識の偏見に訴えかける表現とし、著作の内容に沿ったデザインを心がけました。
制作にあたっては、本文の編集作業に加え、各章末に挿入されたコラムのデザインには特に工夫を凝らしました。
本文と差別化を図るためにフォントやあしらいを変えるなど、視覚的にも読みやすく、内容の切り替えが自然に伝わるよう配慮しています。
また、制作の途中で著者の方がご病気により執筆がご家族に引き継がれるという事態がありましたが、そのような状況の中でも無事に完成し、著者のもとへ届けられたことは、携わった者として深く心に残る経験となりました。