No.50 | 2015年6月号
		誰でも使えるマーケテイング講座 第3回
		
			読者のみなさまいつも遊文通信をご愛読いただき誠にありがとうございます。
僭越ながらマーケテイングについて記させていただいております。第3回にあたる今号は、実践的な内容にできればと思います。
		
		マーケテイングの成果を測る指標はシンプルに「売上」でとらえましょう
		
			 企業・営利団体にとって最も重要な指標は「利益」です。しかし利益は顧客とは相関しないものです。サプライヤーの利益をいちいち考えながら商品・サービスをチョイスする消費者はいませんよね?マーケテイングは顧客とのコミュニケーションであり、売上は顧客から支持されないと絶対に伸びません。サプライヤーのプレゼンス(価値)の絶対的指標は売上に他なりません。
 その大事な売上とはそもそも何でしょうか?下記が公式です。
		
		売上=客数(注文数)×客単価
		
			 つまり、売上を伸ばすには方法は3つしかないということです。
		
		
			❶お客様そのものの数を増やす(新規開拓)
		
		
			❷既存のお客様からの注文数を増やす(既存深耕)
		
		
			❸商品サービスの売価を上げる(高付加価値化)
		
		
			 これらを踏まえ、企業は自社のポジショニングを明確に意識しつつ、下記の3つの戦略のうち一つを選択し、実行に移す必要があります。
		
		
		
			Ⅰ.コストリーダー戦略……価格を下げて販路を拡大する
		
		
			Ⅱ.差別化戦略……価格を上げて業態を絞り込む
		
		
			Ⅲ. セグメント戦略……商品サービス毎、販売エリア毎にⅠ,Ⅱを適宜組み合わせる
		
		 Ⅲは少し複雑なので、ここではⅠ,Ⅱについて記したいと思います。
		まずは自分のことを知らないと、コミュニケーション(マーケテイング)できません
		
			 自分の事というよりは、「相手から見て自分はどう映っているか」。なかなか難しいですよね。規模を問わず顧客に支持されている一流企業では、ここにはかなりのコストをかけています。相手にどう思われたいかを自ら定義し、実際にそう思わせるための広報活動に余念がありません。これらの活動を「ブランデイング」といいます。受注産業である我々印刷産業の中にもこのブランデイングの概念、重要性が浸透してきています。
 人間個人も同じで、企業もその商品サービスも長所しかないということはありません。少なくとも私はそのような人やものを見たことがありません。例えばお客様に直接聞いてみたり顧客アンケートをとってみたりと方法はいろいろありますが、お客様からみた自社の長所短所はまず認識すべきです。
 そこで重要なのが、優先順位として短所を是正するのではなく、長所を伸ばすべきなのです(言うまでもないですが、お客様にご迷惑をおかけするような問題点はただちに最優先で是正しないといけません。これは短所以前の問題です)。長所伸展、重要なキーワードです。例えば「遊文舎はチラシのデザインはいまいちだけど冊子の製本はうまいんだよね」というお客様の声を複数いただいたとするなら、チラシのデザイン力を強化するのではなく(そこは適宜外部のクリエイターを活用するなどして)冊子の製本技術、スピードを更に尖がらせ、差別化を図るといった具合です。そのような尖がらせポイントをコアコンピタンスと言ったりします。
		
		コストリーダー戦略をとれるのは大資本家(お金持ち)のみ
		
			 もし資本力に圧倒的な自信をお持ちなら、商品(あるいは原材料)を強いバイイングパワーを発揮して安価で調達し、他社の数倍の広告宣伝費を投入してインターネットで最安提供することで莫大な売上、利益を確保することも可能だと思います。しかし原則としてそれは一部の大手企業にしかできません。
 大多数の中小企業がとるべき戦略は差別化戦略です。自社の強みを認識し、それを尖がらせて販路を拡大する、シンプルに表現すれば大多数の企業はそれを繰り返して成長すると思います。どこにでもある商品をあまり魅力のない販売チャネルでそこそこ安く売っている、こういう企業様を多数見てきましたが、当たり前ですがあまりよい話は聞きません。ちなみに私たち遊文舎の尖がらせポイントは「スピード」と「冊子制作コンシェルジュ」です。ご興味ございましたらそれらの集大成である遊文舎運営.com サイト「すぐスール」をご覧くださいませ。
		
		
		
			 印刷の通販サイトも数多くありますが、「そのまま印刷にまわせないデータ」を入稿いただき、「その日中に印刷製本」して出荷できる冊子印刷製本サービスは日本で「すぐスール」のみです。私たちはスタッフ一丸となり、お客様から見て利便性の高い魅力的なコアコンピタンスに磨きをかけることに今後とも力を入れていこうと考え、行動しています。*話の流れでちょっと宣伝になってしまいましたね(汗)
 お読みくださり誠にありがとうございました。
		
		(Mr. トップセールス)