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News Letter『遊文通信』

PDF この便利で不便なモノたちよ

 PDFはポータブル・ドキュメント・フォーマットの略でアドビの開発したパブリックな規格であり、その内容やフォーマットはすべて公開されています。

 当初PDFは印刷出稿用に開発されましたが、データが軽くなる事が注目されWEB 用にもてはやされました。海外では早くから印刷用にも活用されましたが、日本ではその普及が大幅に遅れました。その一番の原因となったのがフォントベンダー(フォント会社)の各々の思惑でした。

 PDFでの最大の特徴と言えるフォントエンベット(フォントの埋込)が日本語フォントで許可されていなかったからです。フォントを埋込むと出力装置側にフォントが存在しなくてもポストスクリプト(印刷業界で標準の出力用言語)での出力が可能になってしまうため、各フォントベンダーが制限をつけたのです。出力装置(RIP)に乗せておくフォントは高解像度用フォントを使わなくてはいけません。これが1書体25~30万円ほどしました。20書体使えるようにするだけで500万円程かかってしまいます。それがいらなくなってしまうのですからフォント会社としては大きな驚異となることは容易に想像がつきます。

 それに対し欧文フォントは制限がありませんでした。PDFにフォントが埋込めたのです。日本でもPDF1.3という規格から日本語フォントも埋込めるようになっていましたが、肝心のフォントがついていかなかったのです。当初WEB用に配信されたPDFもフォント埋込みがされていないものが多かったため、オリジナルフォントが無いパソコン環境で見ると体裁の保証はされなかったのです。しかし代替えフォントで表示してくれるため、内容は伝える事ができ、大変便利なものだったのです。

 また、アドビ社がアクロバットリーダーというPDFを閲覧するソフトを無償で配信したことも普及に大きく影響したと言えます。専用ソフトを買わなくてもいいのですから、これは飛びつきたくなりますよね!

ホームページで上のような物を見た事がある方々は多数いると思います。

PDFって安全なの?

 さてここからが本番です。
 昨今、印刷用としてPDFを入稿してくるお客様が急激に増えてきました。ところがこれがやっかいなんです。(泣)
 PDFは作成ソフトが多数存在します。安いものは2~3 千円程度で販売されています。さらにインターネットで無償でダウンロードできるものもあります。また、パソコンOSそのものに機能が組み込まれたものもあります。
 怪しげなフォントも埋込みされていないPDFがどんどん入稿されるのです。
 弊社の営業担当がお客様から言われた事ですが…「PDFは絶対安全に出力できるんやろ~」…、とんでもハップンなお言葉です。条件の整わないPDFほど怖いものは無いのです。
 我々はポストスクリプトという言語を介してPDFを作成するのですが、その手段でPDFを作成されるお客様は同じ業界の人たちぐらいです。一般のパソコンユーザーの場合GDIというパソコンの描画エンジンを使ってPDFを作っているケースが多いのです。家庭用プリンタにプリントするのと同じ様な形式です。GDIプリンタを使って作られたPDFは安全性という点ではかなり疑問が残るデータなのです。
 我々が作るPDFは出力装置に出力するのと同じ手段でPDFを作っているのです。その差はすごく大きいのです。
 また、PDFの特徴の一つとして、使用目的に合わせて性質の異なるPDFを作ることができるという点があります。フォントの埋め込みや画像の解像度、圧縮率、ICCプロファイルのタグ付け、PDFのバージョンなど、色々な要素をコントールすることでまったく性格の違うPDF が作れます。そういった事はあまり知られていません。PDF=なんでも同じ、という認識の方々が多いのです。このように、PDFはきわめて柔軟性に富んだフォーマットであり、だからこそ多様な目的に使えるわけですが、設定や指定さえきちんとして作れば問題ないPDFになるかというとそうとは言い切れません。目的にあった正しい設定でPDFを作ったのに出力でトラブルが起きたということもないことではないのです。

 ですからPDFは私たちにとってとてもこわ~い存在なのです。ただ、そうとばかり言ってはいられません。様々な手段を使って、出来るだけ安全に出力する努力をしています。その方法は…言えませ~ん。企業秘密ですから~~ なんて!

(まさゆき・ほんごう)

栄光の架け橋 6

第6回は大阪大学出版会にお伺いしました。
「大学出版会の営業」というユニークな職種で奮闘されている土橋由明さんにお聞きしました。twitterでも @OsakaUp で精力的に呟いておられます。

ー大阪大学出版会についてお聞きしたいのですが

 1993 年の設立以来、大阪大学を中心とした研究書、教科書、教養書などを刊行してまいりました。現在は年間約30 点を刊行し、2006 年からは「阪大リーブル」という教養書シリーズを立ち上げ、一般の方向けにも情報を発信しております。

ーこちらは一般の書店でも販売されているのでしょうか

 もちろん積極的に営業も行っておりますので、全国どの書店でもお買い求めいただけます。大阪ですとジュンク堂書店、紀伊國屋書店、大学生協など大型店舗を中心に、販促活動を行っております。

ー遊文舎との仕事で印象に残っている書籍はありますか

 やはり一昨年の「第44 回造装幀コンクール」にて、「日本図書館協会賞」を受賞した『フランスの子ども絵本史』ですね。原本の写真撮影から組版デザイン、製本に至るまで、きめ細かにサポートしていただきました。最初からお互いに賞を目指していたので、その願いが実現したときは、手を取り合って喜び合いました。

ー遊文舎の印象はいかがですか

 何といってもレスポンスの速さとデザイン力、企画力が素晴らしいことです。ご担当いただいている苗村営業部長も豊かな経験と素晴らしいスキルを兼ね備え、こちらが意図することをすぐに読み解いてくださいます。そして、木原社長を先頭に、常に前を見据えて走り続けるお姿には、われわれも大変刺激を受けております。
 また紙媒体の印刷だけではなく、ホームページなどのWeb 関係にも強く、トータルでお任せできることは大変助かります。

ー今後、遊文舎に期待することは

 2010 年は「電子書籍元年」と言われ、我われ出版業界だけではなく、印刷業界でも今後の対応に迫られていると思います。
 その中で、この変化を「危機」として捉えるのではなく、「チャンス」として受け入れ、「紙」への想い、「電子」への期待をお互いに共有しながら、ともに歩んで行ければと考えております。

(聞き手:なえむら)

▼土橋さん(左)と苗村部長(右)

印刷Part. 3

日常、営業を回ってて起こるエピソード、
勘違いなど面白い話を集めてみました

●「デザイン制作代が高いんだよ、このキャッチコピーを短くしていいから安くしろよ」

【comment】文字のキャッチコピーを6文字にしても費用は変わらないんです。お気持ちはわかりますが…

●「折り加工が500もあるのはタイヘンだから今日200でいいから早くしてよ」

【comment】折り機は数千枚/時 通ります。500はタイヘンで200だと早く出来るって事はないんですよ。

●「カラフルな色使いやなぁ、8 色くらいあるやろ~」

【comment】前回カラー印刷の仕組みでお話しましたが、カラーはC、M、Y、Kの4色で表現されています。カラフルさが無くなっても色数が減る訳ではなく、印刷代金は変わらないんですよ。

●「春らしい色で頼むわ~」

【comment】出来れば色見本等を頂くよう明確なご指示をお願いしたいです。個人の主観によるものは誤解が生じやすく、間違いの元になりかねませんので。

●「増刷お願いします」

【comment】いきなり15 年前の書籍の増刷依頼。でも15 年前ってパソコンもなく電算写植*¹の時代、今はDTP*²全盛期。版下や製版フィルムは残っていませんでした。結局、全部作り直しました。データの保存も通常5年で処分しますので、ご注意くださいね。

●「データ送るから手配しといて~」

【comment】パソコンが苦手なお客さんがおられました。決心してパソコンを導入されたとのこと。「今からデータを送るから」と言われて待っているとFAXからパソコンで入力された原稿が送られてきました。どうして?!

●「その辺りに置いておいて」

【comment】お得意先に納品に行った時のことでした。段ボールを抱えた瞬間、腰が「ギクッ」と!「うっ、動けない」そこから先は…「もう若くなかった」と痛感したファミコン世代でした。

*¹ コンピューターを利用した写植組版、およびシステム。テキストデータと文字組みの指定をディスプレイで確認して入力し、自動写植機で印字する。DTP が普及した昨今ほぼ絶滅状態。

*² デスクトップ・パブリッシング(DeskTop Publishing) あるいはデスクトップ・プリプレス(DeskTopPrepress)。書籍や雑誌などの出版物を、パソコンを使って制作すること。原稿作成からページのレイアウトなど、印刷の前段階までの一連の行程をパソコンで行う。

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