大阪印刷人の傍目八目

   

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2010年11月30日

どうして突然電子出版元年になったのか

遊文通信vol3の再掲載です。

国産携帯のT-Time(小説)やブックサーフィン(コミック)などの方がはるかにシェアを獲得できるのになぜ急に電子出版元年になったのか。やはりiPad の画面サイズと、本を読むという体験そのものを変えてしまうかもしれないデバイスの魅力によって、電子書籍の流れが動いたのかなと考えます。また、Apple やAmazon が参戦というニュース+個人出版も比較的たやすくできそうで夢が広がるところも魅力です。
ただ問題もまだまだたくさんあります。


●問題1:フォーマット乱立の問題
Apple やAmazon が日本での体制を整えていないため、その隙にどこもがApple、Amazon の椅子を狙おうと電子書店が乱立。フォーマットも乱立です。東京ブックフェアでは10店ほどがウチで本を出して下さいとアピール合戦。そこにGoogle まで参入し、まったくユーザ無視のひどい状態に陥っています。

●問題2:埋没するという問題
ただ本をそのまま電子出版するのでは本は売れなさそうです。デバイスに合わせたコンセプトをもって制作する必要がありそうです。Apple のiBooks で販売しても当然埋もれてしまうと思われ、どう広告していくか、そこも難しい問題です。

●問題3:課金の問題
電子出版するという事はやはりそこでお金を稼がないといけないわけで、となると課金をどうするかという問題とDRM(デジタル著作権管理)の問題。そういう意味でApple のiBooks の存在は課金とDRM を小さな出版社や個人出版でも比較的簡単にクリアしてくれます。

●問題4:電子出版はもうからない問題
電子書籍は本より価格は下がるしAppleやAmazon に30%払わないといけないので、制作費や編集料金、著者への著作権など実はもうからないという話。ただし個人で出す分には問題ありません。今後は編集した本の良さをユーザにも認識してもらわないといけません。

●問題5:見せ方の問題
雑誌的なレイアウトを崩せないものはPDF のように拡大縮小して表示。制作は楽でコストも少なくすみますが、画面の小さいスマートフォンユーザーには使いにくいです。
小説的な文字の拡大縮小ができ読みやすいようにしたいものにはAppleが採用したePub やT-Time やモリサワのMCBook などが出ています。ただし、ePub は縦組みできません。


以上のように問題点はいっぱいです。また、電子書籍は1ヶ月ぐらいで情報が大きく動きます。現在の新しい動きには次のようなものがあります。


●Amazon
書籍代に通信費が含まれている新しい販売方式を使っているのがAmazonです。購入した本は携帯電話回線を使ってキンドルに本が自動配信されます。月々の通信費を気にする事なく本を購入する事が出来ます。(この通信事業をdocomoが取れるかも注目)

●シャープ
独自端末ガラパゴスを出すというニュースが流れましたが、こちらはシャープ独自のフォーマット。出版社は書籍を出すたびにシャープにロイヤリティを払わなくてはいけないので、反対派が多数ブログに記事を書いています。

●SONY
SONYリーダーの再登場です。一度は失敗に終わったSONYですが、コンテンツを充実させて再登場。前回は取り次ぎや出版社からの非協力で失敗したと思われますが今後はどうなるか。

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こんな状態の電子書籍。今はとてもおもしろい状態ですが、今後もますますフォーマットの乱立と囲い込み戦略がつづくとおもわれます。これらはユーザ不在でメーカーだけが盛り上がっているという状態でもありますので、しばらくは静観もありでしょう。
遊文舎としても、判断をあやまらないよう気をつけ、小規模な出版をお手伝いできるよう日々研究中です。個人的にはもっと手軽な出版を実現して大手出版社にひとあわふかせたいと思
い、HTML5をつかって日々実験中です。もしよろしければデモさせていただきますので、営業にお声掛け下さい。

そうです。私の中では本命はスマートフォン!ここで読める電子書籍ならではの特性を生かしたコンテンツを考えています。

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