2009年8月23日
お盆休みの一日…新聞をめくりながら。
「戦争」「原爆」…そして、「終戦」。
8月は、これらの言葉が新聞の紙面を躍る。
64回目の終戦記念日……「本当にあの戦争は終わったのか?」
「あの戦争は何だったのか?」
あの戦争を知らない私の脳裏をよぎったのが、先月、研修旅行で訪問した「長野県長野市松代町…」。
長野市松代町の3つの山に、総延長10キロ以上にわたって広がる巨大地下壕「松代大本営」。
あの戦争末期、本土決戦に備え、国家と軍の中枢すべてを東京から移転させる計画だった場所。
ひっそりと今も幕藩時代のたたずまいを残し、真田10万石の城下町として知られるこの静かな町を抜けた住宅街の奥に、ポッカリと口を開けていた巨大地下壕。
むせかえるような夏の風に隣接する家の洗濯物がゆらめく。
だが、壕の中で様相は一変。
軽くトラックは通れそうな広い坑道。20本の縦杭を20メートル間隔で、10本の横杭を50メートル間隔でつなぐ。
この地下壕に政府省庁とNHKが入り、他には、天皇・皇后の御座所と軍司令部が入る一大司令基地になる予定だったという。

夏にもかかわらず、ヒヤリと肌寒く、どこまでも続く暗闇が五感を研ぎ澄ます。
岩肌に突き刺さったままの削岩機のロッド、労働者たちの落書きなど、当時のまま生々しく残る戦争の記憶が時間を越えて、心の琴線に訴えかけてくる。
1万人の労働者(ほとんどが朝鮮人)が、1日12時間の強制労働と粗食で栄養失調も多発するなか、国体護持のため、こんな暗闇の中で汗水を流していたとは…。
犠牲者は公表3名…、そんなはずはないであろう。
しかし、一大司令基地「松代大本営」がほぼ9割できたとき、日本は敗戦を迎え、大本営は幻と化す。
今、松代では、高校生が中心となって、この「幻の大本営」の保存活動を続けている。
現在、日本には、このような戦争遺跡が2~3万はあるといわれる。
多くが、手付かずで、市民による保存活動に頼る。
戦争の傷跡=遺跡を保存し、あの戦争を知らない私のような人間に伝え、
一人ひとりが常に過去から学び、歴史認識を鍛える…
戦争遺跡がすべて文化財として保存され、後世に続くとき、
ようやく戦争は終わり、終戦を迎えるのではないか…と、
読むでもなく、ペリペリと新聞をめくりながら思ったお盆休みの一日…。


コメント (2)
この研修旅行のオプション=松代行きは、
檸檬爆弾の提案にまず遊民が興味を示して、
真田オタクの源ちゃんが乗って、
かねて佐久間象山に興味があった私がいわば付録として同行を許され、
4名の珍道中とあいなった次第。
まず不明を恥じたのは、松代藩ゆかりの松代町は
50年も前に長野市に併合されていたことでした。
松代藩の下級武士であった象山が学をもって真田藩に仕えていた経緯なども
現地に行けば納得することも多い。
幕末史についてはセミプロの源ちゃんに任せるとして、
「松代大本営」について檸檬爆弾と少し違う視点から一言。
当日は、偶々高槻市の中学生の修学旅行の一行とも遭遇してボランティアによる説明も
檸檬爆弾と重なるし全くその通りなのですが、ヨリ強く印象づけられたのは
軍事優先指向の行き着く果てということでした。
特攻隊や集団自決にも繋がるのではないでしょうか。
いずれにせよ、このような機会を与えてくれた檸檬クンに感謝。
投稿者: 獺祭 | 2009年08月24日 14:19
日時: 2009年08月24日 14:19
<獺祭さま
檸檬ごときの戯言にコメントくださり、恐縮です…。
ありがとうございます!
「軍事優先指向の行き着く果て…」「特攻隊や集団自決…」
歴史にあまり明るくない私は今回、松代訪問をきっかけに、少し調べてみました。
松代と沖縄戦の関係。
沖縄戦は、勝ち負けの戦いではなく、「松代大本営」を完成させるまでの時間稼ぎの戦いだったよう。(現代史、軍事史研究家事務局長の文献より)
『昭和20年5月、首里城陥落』
その段階で、沖縄守備隊は「我らは降伏したり」と大本営に連絡。ところが、大本営からの命令は 『さらに南に移動して戦いを継続せよ』だったとのこと。
そのため、沖縄はさらに集団自決、殺戮によって、多くのむごたらしい戦死者が出た。
そして、6月21日。大本営から 『貴軍の忠誠により、本土決戦の準備は完了』 との打電が来る。つまり、本土決戦の準備は完了したから、君たちはもういいよと。
その本土決戦の準備というのが、松代大本営の完成だったらしい。
あの巨大地下壕を完成する間に、沖縄ではどれだけの人たちが生死の境をさまよったのか。
狂いの連鎖が、まるでメビウスの輪のように、解けることなく続き、人間の感覚を容赦なく奪っていく、私の知らないあの戦争…。
戦争は、人間を人間でなくするのであろう…。
今、読んでるのは「佐久間象山 杏花爛漫」。
これが、なかなか面白く……。
投稿者: 檸檬爆弾 | 2009年08月25日 00:33
日時: 2009年08月25日 00:33