大阪印刷人の傍目八目

   

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2008年10月31日

本もいろいろ、自費出版もいろいろ

勝間和代『読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか』を読んだ。
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ジュンク堂の週間ベストセラーに並んでいた。
勝間和代の名前は聞いていたが、読むのは初めて。

こりゃ、読書というより「WEBを使っていかに本を売るか」について論じた
ハウツー本である。
いろんなサイトの紹介もあり、知らなかったこともいろいろ教わった。

著者の価値観は、「成功、投資、ご利益、リーズナブル、役に立つ…」
ビジネス書なら必須の言葉たちか。
毎日、いくつものブログを更新し、あわただしく飛び回っている売れっ子ぶりをアピールする。

「ネットがないころは、自分の意見や考えを発表したいときには、高いお金で自費出版をするなどして世に問わなければいけなかったのが、ブログなら元手がほとんど不要です。逆に、自費出版をいまだにする人がなぜいるのかが、私は不思議なくらいです」というくだりがある。

ここを読んだとき、先日の遊文舎のお客さんを思い出した。
「素粒子論で、アインシュタインをしのぐ新説がひらめいた。
 たんなるサラリーマンなので、英訳して自費出版し
 世界の研究者に読んでもらいたい。
 専門用語が多いうえに日本文じたいに自信がないので
 推敲して編集してほしい」とのことだった。

かれは、ネットやブログの世界を熟知しており、それゆえまた恐れていた。
最初は、なんとトリッキーな人かと思ったが、5~6回打ち合わせするなかで、真摯な人柄はひしひしと伝わってきた。
英訳は、ネイティブと2段階なので、翻訳料もずいぶん高くなったが、できあがったとき、ずいぶん喜んでもらえ、わたしも幸せな気分になった。
メールしてその後を聞いてみたら、まだ反響はないが、また次の構想がすすんでいると意気軒昂だった。

勝間さんなら、こんなシチュエーションは先刻承知のすけで、それがどうしたということだろう。
しかし、わたしが興味を持つのは、リアルの勝間和代が何を成功とし、幸せと感じるかという点。
たんなるお金もうけや名誉欲ではなく、社会的使命のようなものかナ。

ほとんどのHowTo本には、Why(なぜじぶんの人生にそれが必要なのか)がぬけている。
そのあたりのニッチを埋めていける人のような気がする。
まだまだ数少ない女性の活躍の場で、つかいすての消耗品とならないよう、悠揚たる深化を祈りたいと思う。

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