2007年11月19日
『ウェブ時代』は坂の上の雲か
11月4日に発売された梅田望夫著『ウェブ時代をゆく─いかに働き、いかに学ぶか』は、早くも各方面での反響を呼んでいる。14日には著者による講演会「リアルの世界に生きる人は、ウェブ時代をどう生きたらいいのか」が東京丸善本店で開催されたが、それらをめぐる状況がとても興味深い。
昨年2月に刊行された『ウェブ進化論─本当の大変化はこれから始まる』のときは、やや興奮した面持ちのたけうちが、「これ、読みましたか?」と言って貸してくれた。
何も知らなかった私は、WEB2やロングテールはじめいろいろな知識をこの本で得たが、後半は専門的すぎてついていけず、焦りを通り越して、こんな世界とは無縁でも生きていけると開き直ったものだ。
あれから1年強、「ウェブと無縁で生きていくなんてとんでもない」と思い知らされた世の中全体の急速な進化であった。

今回の『ウェブ時代をゆく』は、副題の「いかに働き、いかに学ぶか」が示すように、技術論ではなく「いかに生きるか」という人生論ともいえるもので、若者に向けた著者のメッセージは明るくポジティブで、楽観的である。
講演会の話で、著者の梅田氏が「本好きで本を読むことで人生を切り開いてきた」こと、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」「街道をゆく」からタイトルをとったことを知った。
私は、司馬遼太郎といえば「坂の上の雲」の前半が一番好きだが、時代の明るい未来を強く信じている点では、梅田氏にも共通の世界観があるように思う。
主人公の若者たちは、明治初期日本の近代国家への道を模索し、苦しみつつも「坂を登りきったときに憧れの雲が見える」ことを信じて疑わない。
しかし、後半は日露戦争の話になり、これに勝ったことが昭和の太平洋戦争への突入につながっていく。司馬遼太郎は、歴史がなぜこう動いてしまったのか、解明しようと苦闘したようである。
いま、「混沌として面白い時代」がどこに行くのか、梅田氏も時代を担う若者に託そうと期待し、必死のエールを送っているように見える。


コメント (1)
Googleやロングテールというコトバとはじめて
出会ったのが、梅田望夫氏の『ウェブ進化論』
でした。
それがビジネスモデルの革命を象徴するコトバ
であったことを、遅ればせながら思い至っています。
『ウェブ時代をゆく』に期待しています。
投稿者: 獺祭 | 2007年11月20日 09:16
日時: 2007年11月20日 09:16