大阪印刷人の傍目八目

   

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2007年10月31日

「文字・活字文化の日」って…

富山でのフェアに「ぷぷり」を出展した帰り、寄り道して下呂温泉からJR高山本線に乗り、「飛騨金山」で、あったかく懐かしい駅名板を見かけた。

他の駅はほとんど下呂のような活字なのに、飛騨金山にだけなぜこのような木彫の駅名板が残っているのか、私には事情はわからないが、折りしも「文字・活字文化の日」ということで、「文字文化を大切にする」ことについて、ちょっと考えてみた。

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飛騨金山の駅名板は文字であり、下呂のほうは活字である。
前者のほうが個性的で味わい深く、さまざまに空想がひろがる。「文化」という意味ではこちらに軍杯が上がるだろう。
しかし、これを描くには熟練と技(わざ)を必要とし、誰もが出来るわけでもないし量産もできない。
そこで活字が発明され、印刷技術の進化によって宗教改革やフランス革命などヨーロッパ世界の一大進化がもたらされたことは誰もが知っている。
現代においては、巧みが描く芸術作品を除いては、文字文化すなわち活字文化と言って過言ではないだろう。

さらにこの10年、インターネットの急速な発達により、メディアは多様化し、情報の流れは大きく変わった。子どもたちはテレビ、ゲーム、ネット、ケータイという情報メディアを好み、日本の高校1年生の「読解力」は世界で14位、小説など長い文章を読む生徒の割合は、各国平均が22%に対して日本ではわずか3%で世界最下位、とのデータもある(OECD2003年調査)。

この流れはもはや止められないが、リスキーな要素はできるだけ排除していかねばならない、ということで「文字・活字文化の日」が定められたのだろう、と私は思う。
「文字・活字文化振興法」も制定され、読書週間初日と設定されたそうだが、このネーミングでは内容があいまいにしか表現できていないように思う。

「活字で大きな世界を知る日」または「良書で世界にめぐりあう日」などとする方が、目的がはっきりすっきりするのではないか。
ちょっと、印刷人の手前味噌な言いがかりかもしれないけど、私は「本の中でこそ自由な世界にめぐりあい、夢をふくらませることができる。それこそが文字文化である」と固く信じているのである。

松本から穂高を経て糸魚川にいたる大糸線では、手書きあるいは木彫による駅名表示板が、意識的に採用されているようで、いつか行ってみたいなと思っている。

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たけうち:

Webでは飛ばし読み率が高いためひらがなを多くした方が良いそうです。

ところで、ふと一番読みやすい日本語FONTは作れないだろうかと思いました。いつも使っている書体は本当に読みやすいのか?明朝体が本当に良いのか?現在のFONTは縦組でも横組でも使えますが、縦組専用に読みやすくデザインされたFONTとかは考えられないのかとか。

『世界で最も美しい本』展という展覧会があるが、
こういうのに一番読みやすい(と思う)日本語FONTを使った本を
遊文舎もから出してみたいと思う。

自社開発のFONTつくってみませんか?

飛騨育ち:

いきなり水をかけるようですが、飛騨金山駅の写真で一番目に付いたのは、駅名ではなく「左・飛騨路 右・美濃路」という銘板でした。そういうロケイションに出くわす方が感動的では?
ちなみに、飛騨の騨は口二つでないといけないわけで、これが表示できない悲しい文字環境(いや活字環境でしたか)でコメントを入力しなければならない現状をヌキに<文字と活字>でもなかろうと考えますが如何。
だいたい<文字と活字>という対置にしても、議員立法というまがまがしい手続きで成立したとかいう法律に根拠を置くというのも、その前提から疑って見ることも必要かも。
でも、大糸線の駅名には圧倒されました。ぜひとも各停で乗ってみたいものです。

遊民:

>たけうちさん
『世界で最も美しい本』展は、ドイツですね。
2005年に最高の「金の活字賞」を受賞した『日本の近代活字-本木昌造とその周辺』は、獺祭の部屋にあるよ!
見ましたか。

「自社開発のFONT」って、ほんと開発フェチなんだから。
今また、おもしろそうな開発案件があるから、腕をさすって待っててね。

>飛騨育ちさん
もしかして、新聞関係の方ですか?
通りすがりに、飛騨をダシに使ったブログのように思われたのかな。
「左・飛騨路 右・美濃路」という銘板は、私も興味深く地元に暮らすひとたちの歴史に思いを馳せました。
悲しいかな無知なもんで、そこどまりでした。

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